
ベンチャーキャピタルからの資金調達を成功させるために意識すべきポイント
スタートアップの成長を加速させる上で、ベンチャーキャピタルからの資金調達は有効な手段の一つです。しかし、スタートアップの旅路は、順風満帆な時だけではなく、ハードシングスの連続で心が折れそうになることもあります。だからこそ、単に資金を得るだけではなく、中長期的に信頼関係を築ける投資家という伴走者を見つけることが、長期的な事業の成功につながります。ここでは、投資家からの資金調達を検討する際に意識すべきポイントをまとめました。
1. 資金調達のタイミングではなく、普段から投資家との関係を築いておく
資金調達のタイミングで突然投資家とコンタクトを取ろうとするのではなく、常日頃から関係性を築いておくことが重要です。これにより、いざ資金調達を行う際にスムーズに投資検討プロセスに入ってもらえる可能性を高めることにもつながります。
常日頃から投資家との関係を築いておくことのメリット
- 投資家から信頼を獲得しやすい(長期的な関係があると意思決定がスムーズに進みやすい)
- 資金調達の際に優先的に検討してもらえる可能性が高まる
- 事業の成長や課題について早い段階でフィードバックをもらえる
- 適切なタイミングで投資家のネットワークを活用できる
具体的なアクション
- 定期的に投資家と面談し、進捗共有を行う(特に資金調達の6〜12ヶ月前から意識的に)
- ピッチの機会がなくても、業界イベントやミートアップなどで積極的に交流する
- 投資家にアドバイスを求めることで関係性を深める
- 事業の大きなマイルストーン(新規顧客獲得、プロダクトローンチなど)の際に報告を行う
常日頃から投資家との関係を築いておくことで、資金調達時の選択肢が広がり、よりスムーズに資金調達活動を進めることが可能になります。STORIUMを活用して、是非様々な投資家にコンタクトしてみて下さい。
2. 調達金額と資金使途を明確に
資金調達の目的を明確にし、どのように資金を活用するのかを具体的に説明できるようにしましょう。また、仮説検証や事業が想定通りに進捗することを前提とせず、借入も含めて、少し余裕を持った調達金額を計画しておくことが大切です。
- 調達資金の用途(開発、マーケティング、人材採用など)
- 次ラウンドに向けた資金調達後のマイルストーンと成長目標
- 将来的な収益見込みとキャッシュフロー計画(シード調達の場合は、詳細な計画は原則不要)
投資家は、資金の適切な活用とリターンの見込みを重視します。計画が明確であるほど、投資家の信頼を得やすくなります。
3. フォローオン投資(追加投資)の可能性を確認
スタートアップは、成長段階に応じて複数回の資金調達を行うことが一般的です。また、シード調達後、仮説検証が完了していない段階で資金が枯渇した場合、新規の投資家と新たに関係性を構築し直し、資金調達につなげるのはかなり難易度が高いのが実態です。そのため、初回の投資家がフォローオン投資を行う意向・スタンスがあるかどうかは投資家を選ぶうえで重要なポイントとなります。
フォローオン投資の確認ポイント
- 投資家の資金力とファンドの規模(追加投資できる余力があるか)
- 投資家の投資ポリシー(継続的な支援を行う方針か)
- 投資先への追加投資実績
フォローオン投資が期待できる場合、資金調達の安定性が増し、事業の成長により集中することができます。
4. リード投資家の選定が重要
リード投資家(Lead Investor)は、資金調達ラウンドを主導し、他の投資家との交渉や条件設定において中心的な役割を果たします。適切なリード投資家を選ぶことで、円滑な資金調達と事業成長の加速が期待できます。
リード投資家を選ぶ際のポイント
- 業界や事業モデルに対する理解が深いか
- 過去の投資実績(成功事例や支援実績)を確認しておく
- 投資家のネットワーク(他の投資家や事業会社のキーパーソンなど)を活用できるか
- 追加投資(フォローオン投資)の可能性があるか
- General Partner(投資の意思決定者)や担当キャピタリストとの相性が良いか(人柄や経営方針、意思決定スタイルなどの観点から。加えて、その投資家の投資先起業家からリファレンスを取得することを推奨)
信頼できるリード投資家が決まれば、他の投資家も参画しやすくなります。交渉力があり、スタートアップに的確なアドバイスを提供できるリード投資家を選定することが重要です。
5. 投資家との関係構築を意識する
投資家との関係は一時的なものではなく、長期的なパートナーシップです。日常からしっかり信頼関係を築くことが、事業成長を加速させる鍵となります。
- 透明性のあるコミュニケーションを心がける
- 定期的なアップデートや報告を行う(進捗報告や課題の共有)
- 企業価値の向上、成果の最大化に向けて積極的に巻き込む
- 建設的なフィードバックを受け入れるスタンスを持つ
投資家を単なる資金提供者ではなく、経営パートナーとして活用し、積極的に巻き込むことが重要です。
6. プレゼンの際は事業のビジョンと成長戦略を明確にする
投資家は、単なるアイデアよりも、明確なビジョンと成長戦略を持ち、それらを実現しようとする強い意志と覚悟を持った起業家に強く惹かれます。以下のポイントを整理し、説得力のあるストーリーを組み立てましょう。
- その挑戦をする背景(課題や機会の説明に加えて、なぜ自分がやるのか、なぜ今その挑戦なのかなど)
- 経営チーム(なぜこの経営チームで事業を成功につなげられると考えているのか)
- サービスやソリューション(ペーパーモックやデモなどを通じて具体的に伝えることが大切)
- ビジネスモデルと収益化の仕組み
- 自社の強み・差別化ポイントや取りにいくバリュープロポジション
- 中長期における成長戦略と事業計画
- マーケットサイズ(マクロなマーケットサイズに加えて、自社のビジネスモデルに照らした際にどれくらいの事業のトップラインが見込めるのか)
- 資本政策(いつ、どのくらいの時価総額で、いくら調達したいのか)
7. 投資契約の条件を理解する
投資契約には、経営権やEXIT(イグジット)戦略に影響を及ぼす条項が数多く含まれているので、契約内容を十分に理解し、将来的なリスクを把握しておきましょう。
投資契約を確認する際のポイント
- 投資家に持たせる株式の割合と希薄化の影響
- 優先株式や残余財産分配権の条件(投資家がEXIT時にどのようにリターンを得るか)
- 事前通知や事前承認を求められる内容の把握
- 議決権行使時の意思決定の仕組みの把握
上記はごく一部ですが、投資契約の細部まで理解し、事業成長にとって最適な条件で資金調達を行いましょう。
8. EXIT戦略を意識する
投資家は、最終的なリターンを得ることを目的としています。だからこそ、IPOやM&AなどのEXITプランを事前に想定し、投資家と目線を合わせておくことが重要です。
- EXIT手段を理解する
- IPOの動向やM&Aのトレンドを把握する
- 起業家自身の事業にかける想いやライフビジョンを想定し、事業売却やIPOなどの手段を慎重に検討する
投資家から資金調達をするためにIPOを目指すというのは本質的ではなく、あくまでも起業家のライフビジョンの実現の手段としてのIPOなどのEXIT手段であるべきです。投資家とEXITの方向性が一致しているかをしっかり擦り合わせておくことで、資金調達後の戦略をスムーズに進めることができます。
STORIUMで最適な投資家を見つけましょう
スタートアップの成功には、資金だけでなく、自社のビジョンに共感し、成長をサポートできる適切な投資家を見つけることが重要です。投資家選びでは、ビジネスモデルへの理解、フォローオン投資の可能性、リード投資家としての資質、そして将来のEXIT戦略まで考慮する必要があります。STORIUMは、これらの要素を踏まえて、スタートアップの持続的な成長を支援する投資家との出会いをサポートします。
STORIUMには数多くの投資家が参加しており、スタートアップのビジネスステージや調達ニーズに合う最適な投資家をスムーズに検索し、コンタクトできる環境を提供しています。
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